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沖縄の伝統相撲と、辺野古

沖縄の伝統相撲と、辺野古

投稿者
知花あかり
滞在日時
2019.05.01〜
滞在先
辺野古区
目的
沖縄の文化めぐり

6月の沖縄は梅雨。
この日も大雨が降っていたが、
日が落ちるにつれて雨も上がり、
夕方にはじっとりとした蒸し暑さだけが残った。

辺野古前ヌ浜では、蒸し暑さに加えて潮風が吹くので、余計に肌がベタつく。

地元の人たちは辺野古区青年会が出す、
たった1店舗の屋台店で
購入した島酒やビールを片手に
子供達の相撲を観戦していた。

辺野古区ではアブシバレー(蛙払い)の一環として沖縄の伝統相撲である「角力相撲」大会を
毎年行なっている。

本土の相撲とは少し違い、
角力着(柔道着のイメージ)の上から
まわしを巻き、
①相手のまわしを離してはいけない
②相手の両肩を地面につけることで勝利
などのルールがある。

辺野古区では小学生の部と一般の部があり、
辺野古区をはじめ、沖縄各地から参加者が集う。
それらは全て無差別級なのが特徴だ。

小学5.6年生の部での優勝、準優勝は
なんと地元の兄妹。
準優勝の妹さんが
「瞬殺された。少し悔しい。」と言うと、
優勝したお兄さんは
「余裕だった。」
と妹に笑いかけた。
辺野古区の角力大会は景品が豪華なのも特徴。
ふたりは大量の景品を抱え、
はにかんだ笑顔を見せた。

日もすっかり落ちた頃には、
相撲大会は小学生の部が終わり、
一般の部になっていた。
屋台店の種類豊富なお酒も品切れが
相次いでいた。

ビールを片手に地元の友人を
応援しに来たという
顔のまっ赤なおじさんに話を聞くと、

「角力相撲は、小さい人が大きい人に勝つのが特徴。チカラじゃなくて、技で勝負する。柔道とはまた違った駆け引きが、この相撲にはあるんだよ。」
と熱く語ってくれた。

友人が土俵に立つ番が来ると、
「ゆうじー!たっぴらかせー!ばんみかせー!」
(訳:ゆうじー!やってしまえー!)

と声を荒げて最前列の方に走って行ってしまった。

「うちなーんちゅの意地見しれー!!」
これは応援というより野次では、、
と思いつつも、
会場の雰囲気は地元のおじさん達による
野次や声援のチカラもあって
笑いが起こり、拍手が起こったりの賑やかで
楽しいものだった。

応援を終えて、戻ってきたおじさん曰く、
「角力相撲を盛り上げるのに野次は必要さー!」
だそうだ。

伝統文化に辺野古地域の個性が合わさって、
この地域でしかみることのできない
行事になっていた。

沖縄で生まれた文化を
沖縄で生まれ育った人たちが
受け継いでいる風景は都会化が
まだ進んでいない地域だからこそ
見ることができる。

観光的ではない沖縄の一面を見に
ぜひ東海岸へ〜

 

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沖縄タイムスにて
知花さんの記事が掲載されています。
詳細はこちら
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